中村勘九郎、中村七之助を中心に、中村屋一門が毎年行う全国巡業公演、それが陽春歌舞伎特別公演、春暁特別公演です。時期によっては「新緑」、「錦秋」となりますが、2005年から毎年のように各地に伺っております。 2022年には、ついに全国47都道府県すべてでの開催を達成いたしました。そして、2024年は20年目を迎えることになります。これも多くの皆様に応援いただいたおかげです。心よりお礼申し上げます。
歌舞伎座のある東京をはじめ、歌舞伎を見る事が出来る劇場は全国でも限られています。ある時、2人の元に若いファンの方から「地方にいると交通費や宿泊費がかかってなかなか歌舞伎を見に行くことが出来ない」という内容のお手紙をいただいたことがあります。父である十八世中村勘三郎とともに親子会として全国各地に伺っていたこともあり、それならば「自分たちが全国各地に足を運び、たくさんの方に歌舞伎を見てもらおう」と、兄弟ふたりを中心とした全国巡業の特別公演が始まりました。
毎年いろいろな演目を取り上げ、年によっては和太鼓や津軽三味線とのコラボレーション行うなどお客様に楽しんで頂けるように工夫を凝らしています。2023年は春と秋、それぞれたくさんの地域に伺うことが出来ました。
2024年は、
「陽春歌舞伎特別公演 2024」
として全国六カ所で開催いたします。勘九郎の息子・勘太郎と長三郎が2022年春暁以来の参加となります。
また、陽春、春暁そして秋に予定されている錦秋歌舞伎特別公演も、十八世中村勘三郎 十三回忌追善興行として行わせていただきます。
演目にも、中村屋ゆかりの作品をご用意し、歌舞伎を初めてご覧になる方にも、歌舞伎や伝統芸能に日頃から親しまれている方にも、どちらにも楽しんでいただけるよう趣向を凝らしております。ぜひお近くの会場にお運びいただき、ご覧いただければと存じます。
【演目】
1,トークコーナー
2,鶴亀
帝 中村 小三郎
鶴 中村 仲弥
亀 中村 仲四郎
萩原雪夫 作
3,舞鶴雪月花(ぶかくせつげっか)
桜の精 中村 七之助
松虫 中村 鶴松
松虫 中村 長三郎
松虫 中村 勘太郎
雪達磨 中村 勘九郎
【みどころ】
一、トークコーナー
中村屋ファミリーが皆様とご一緒に、この機会でしか語ることのない楽しいお話に華を咲かせます。
どうぞご期待ください!
二、鶴亀つるかめ 長唄囃子連中
新年を迎え、春の行事「節会」が催されている宮廷。その庭で鶴と亀とが帝の長寿と弥栄を讃えた舞を舞うと、帝みずからも舞に興じ、めでたいひとときを共に楽しく過ごします。
春に相応しい格調高い祝儀舞踊をお楽しみください。
三、舞鶴ぶかく雪月花せつげっか長唄囃子連中
十七代目勘三郎の求めに応じて作られた本作は、俳名の「舞鶴」を題名に取り入れた新作舞踊で、平成十二年の十三回忌追善にも上演された珠玉の作品です。
時を経て本年は十八代目勘三郎の十三回忌。勘九郎・七之助・長三郎・勘太郎・鶴松が織りなす、季節の移ろいを描いた中村屋所縁の秀逸の舞台をどうぞご堪能下さい。